アジアにひろがる「篤姫」ブーム 台湾からの観光客が増大

鹿児島県鹿児島市や指宿市など、いわゆる篤姫ゆかりの地を巡る台湾からのツアー客が続々押し寄せている。台湾では22日に日本で昨年放映された大河ドラマ「篤姫」が最終回であったが、25日には再放送が決定しているという人気ぶりだ。(2009.5.23南日本新聞)

日本でも「篤姫」が好評を持って放映されていた理由の一つが、それまでの大河ドラマのような時代劇ではなく、時代に翻弄されながらも力強く生きる一人の女性を描いた点にあったと思います。これは過去に韓国ドラマ「チャングム」が時代劇であるにもかかわらず、日本で好評を持って受入れられたのと似ていると思います。

海外、特にアジア諸国に対しては、戦に勝利することで地位を築き上げてゆく従来の大河ドラマは中々受入れられなかったのではと推測出来ます。(もっとも、中国では山岡荘八の小説『徳川家康』が爆発的なベストセラーになっているので一概には云えないが。)

今回の「篤姫」人気による海外からの観光客の増加というケースは、現在各自治体が積極的に推し進めている郷土の歴史上人物を大河ドラマ化に一考を与えるかもしれません。というのも、大河ブームで観光収入が期待出来るピークというのは、やはりドラマ放映中というのが一般的だからです。時間が経てば人気が下火になるのは言わずもがであります。

ところが、例外ではあるがそうではないケースも存在します。今年1月に山形県は台湾との「プログラムチャーター便」を初めて実施し、1ヶ月9往復便で約1400人の観光客が来県したそうです。これほどの山形人気の背景には、25年前の連続ドラマ「おしん」の人気が現在も続いているからだということです。(2008年におしん役の小林綾子さんが台湾でPRを行ったというのも人気に一役買っている。)

「おしん」のような人気ドラマは例外中の例外ではありましょうが、大河ドラマに観光収入を目論む自治体としては、一次的な国内需要後の海外からの観光客による二次的効果は見逃せないはずです。「おしん」の例を見れば、国内同様に海外ツアー客の観光需要も大きいことは明らかです。

確かに、大河ドラマにしたい歴史上の人物は見つかった、されどドラマの内容や質が果たして海外の人達に受け入れられるかどうかは、これまた別問題ではあります。私は個人的に観光目的での大河ドラマ化推進には、素直に首を縦に振るつもりはありません。ですが、ドラマを通して歴史上の人物や事件に注目が集まることには大きな意味があると思います。

「篤姫」が台湾で人気を得たことで、今後他のアジア諸国にも人気が拡がるかもしれません。もしそうなれば、必然的にドラマの背景である日本の維新史にも海外の人達は目を向けることになるでしょう。それは取りも直さず、過去の日本を知ることで、現在の日本を一層理解してくれることに繋がるはずなのです。私は経済効果も然ることながら、そのことのほうが余程大切ではないかと思うわけです。ぜひそうなってくれればいいと、一層の篤姫人気が拡がることに期待しています。

補1:小林綾子さんが台湾で行ったPR活動の記事はこちら(2008.5.21デイリースポーツOnline)。

補2:「プログラムチャーター便」で山形県に観光に訪れる台湾からのツアー客の記事はこちら(2009.1.10山形新聞)。

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