円満院 重要文化財を再び競売で売却

滋賀県大津市の天台宗系の門跡寺院「円満院」が重要文化財に指定されている宸殿を含む建物9棟と国名勝庭園を含む土地を競売にかけ、10億6700万円で落札されていたことが判明した。文化庁は国指定文化財の競売は異例で「競売による所有権移転は好ましくない」と困惑している。(2009.5.31YomiuriOnline)

円満院は過去にも重要文化財の書画を競売にかけ売却している。判っているだけでも9点が円満院の所蔵を離れている。しかし、それらは京都国立博物館をはじめとする適切な管理が出来る施設が落札を行い現在も大切に所蔵している。今回の落札に関しても、なんら違法行為があったわけではない。確かに、文化財を競売にかける行為が異例であることには変わりないが、文化庁のこのコメントには何か含みがあるようにしか思えない。マスコミ各社は現段階では落札した宗教法人名を公表してはいないようだが、売却基準価格の7倍もの金額で落札した宗教法人とは一体どんな存在なのだろう?

滋賀県甲賀市の宗教法人を調べてみると、真っ先に名前が挙がるのが「神慈秀明会」です。甲賀市の山中にある団体の境内に隣接する美術館「MIHO MUSEUM」は私もよく知っている。ギリシャ、ローマ、エジプトをはじめとする古美術品を多く所蔵していて、日本でも有数の私立美術館だからだ。この美術館は信者だけでなく、一般の人にも開放されていて年間14万人が訪れるという。

この神慈秀明会で記憶に新しいのが、今年2月自民党の岩永元農相(滋賀4区)が平成15、17年に計6000万円の政治献金を受けながら、政治資金収支報告書に記載していない事実が発覚したニュースだ。この献金をしたのが神慈秀明会である。更にはイタリア政府は上記のMIHO MUSEUMに所蔵されている美術品がローマ遺跡から盗掘されたものであるとして名指しでの返還請求をしている。盗掘品であるとされた美術品は、当美術館が国際シンジケートから購入したものではないかとされている。また、宗教団体で問題になりがちな献金トラブルも、訴訟中のものも含め数多く報告されている。

円満院の文化財を落札した宗教法人は特定されたわけではありませんが、高額な落札額といい、文化財収集の例をみると、限りなく神慈秀明会なのではないかと思われます。事実は遅かれ早かれ報道されることにはなるでしょう。今回文化庁が苦言を呈した理由も、実は将来訴訟を含むトラブルにより貴重な文化財の管理が行き届かなくなるという可能性を示唆したものではないでしょうか。

error: Content is protected !!