坂の上の雲 京大で開催されたシンポジウムでドラマ化を批判

今年11月29日から12月27日までを第一部とし、3年越しの放映を予定している司馬遼太郎原作「坂の上の雲」の映像化を考えるシンポジウムが18日京大会館で開催された。近代史研究者やメディア関係者が「日本の朝鮮侵略に触れずに、日露戦争を『祖国防衛戦争』として描く作品だ」としてドラマ化を批判した。(2009.7.19京都新聞)

講演の中で日本近代史が専門の奈良女子大名誉教授中塚明氏は「『坂の上の雲』は、日本が朝鮮に何をしたか語らず、朝鮮の抗日運動にも触れていない。著者の『映像化してほしくない』という遺志に反してのドラマ化はおかしい」と指摘いるという。

私はこのシンポジウムに参加していないので、全ての意見を聞いたわけではありません。しかし、司馬氏が生前に「坂の上の雲」映像化に否定的であったのは、著書が朝鮮に対して日本が行ったことを描いていないからという理由ではなかったと思います。

太平洋戦争中の帝国陸軍を否定している司馬氏なので、一つには近代化へ目覚めたアジアの小国日本が大国ロシアに戦勝するこの作品を、国威高揚のプロパガンダ的な作品にはして欲しくなかったというのが理由でありましょう。文字ではなく映像になれば、一層影響力が強いことを理解していたからだと想像できます。映像化が許可されたのも著者の死後であったというも納得できます。

史実を全て一つのドラマの中で表現するということは中々困難なことではあるでしょうが、逆に日露戦争という歴史全体を捉えるためには良い機会であると思えます。今回のシンポジウムも一つの歴史を一方の視点からだけで観るのではなく、多角的に全体を捉えることの重要性は訴えることが出来たのではないでしょうか。

コメント

  1. 井上酒店 より:

    ご訪問頂き、nice!も頂きありがとうございました。
    すいません、文学に弱いのでも「坂の上の雲」を読んだことがないのですが、もうそろそろ日本がしてきたことを描かず、されたことばかり描く時代も変わらないといけないんじゃないでしょうか?勿論、戦争の上で、どちらかが善でどちらかが悪なんてないと思いますが、どうも、日本の物は、綺麗に欠かれすぎている気がしますね。確かに映像化するには、日本を綺麗に描く方が受けるとは思いますが、そんな綺麗事だけではない、時代背景を描く映像があっても良いのかも?って思いますね。すいません・・・全く無知な物が偉そうなこと書いてしまい・・・。

  2. maxell より:

    拙ブログへのご訪問ありがとうございました
    歴史物には疎いですが埋もれた事実には興味津々です
    今後とも宜しくです^^;

  3. Yubarimelon より:

     井上酒店さん、コメントありがとうございます。
     貴重なご意見を感謝です。この機会に「坂の上の雲」を読んでみるのはいかがでしょうか。長編ですが、個人的にはとても面白い作品だと思います。

  4. Yubarimelon より:

     maxellさん、コメントありがとうございます。また、訪問させていただきます。

  5. Yubarimelon より:

    nice!を入れていただいた皆さん、ありがとうございます。

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