堀内伝右衛門重勝 菩提寺にて大石内蔵助ら十七士の遺髪を供養する義士まつりを開催

元禄忠臣蔵で知られる赤穂義士の遺髪塔がある熊本県山鹿市杉の日輪寺で4日、義士ゆかりの兵庫県赤穂市から市長らが参列して恒例の義士まつりがあった。(2010.2.5Yomiuri Online)

堀内伝右衛門(正保2年~亨保12年 1645-1727、肥後熊本藩細川家使番二百五十石)は元禄赤穂事件において、吉良義央を殺害した47人のうち細川藩江戸藩邸に預けられた大石内蔵助ら17士の接伴役19人のうちの一人である。

赤穂義士達の本懐に感動した伝右衛門は心を尽くして17士の接待に勤め、彼らの話を「堀内伝右衛門覚書」という書にまとめ後世に残した。この書が赤穂事件を知る上で大変有益な史料であると同時に、子孫達に武士の心得が何たるかを伝えるための教育書でもあり、また義士親族との関係を継続させるよう命じた遺訓書でもあった。

堀内伝右衛門が書き残した覚書を読むと、この人物が如何に情が深く、涙もろかったかを知ることが出来ます。そして、古老の武士らしく自らが正しいと思う行いには、幕府からのお咎めにさえ目もくれず、躊躇なく行動しています。

幕府は義士達の処遇に対して、各藩邸への届け物は許可しても書状は禁止していました。にもかかわらず、伝右衛門は義士達の親類や縁者を訪ね、手紙や彼らが現在どうしているかを伝え歩いています。こうした行動が本人ばかりでなく、主家にさえ幕府からの嫌疑が掛けられる要因になりかねないにもかかわらず。しかし、伝右衛門老人は懐中に「かねてより細川越中守様より念を入れて注意されていましたので、わたくしめに関しては不忠以外の何者でもありません」という口上書を持ち歩いていたのです。自分の行いで藩に迷惑を掛けることなく、切腹する覚悟で訪問を続けていたというわけです。義士達のお世話をすることに自らも命がけで行うことこそ、自分の勤めであると堅く思っていたのでしょう。

この覚書が面白いと思えるのは、赤穂浪士達が本懐を遂げたせいもあるのでしょうが、他の史料では伺えない個人それぞれの素顔を見せてくれるところだと思います。そういう意味でも非常に貴重な史料といえるでしょうし、やはり伝右衛門老人が心からお世話をしたからこそだったに違いありません。

元禄16年2月4日(1703.3.20)、義士達はそれぞれの藩邸で切腹しました。接伴役の仕事を終えた伝右衛門は貰い受けた17士の遺髪を自分の知行地である杉村(熊本県山鹿市)に持ち帰り、菩提寺である日輪寺に遺髪塔を建立しました。そして83歳の生涯を終えるまで義士達を供養したそうです。現在も伝右衛門の子孫の方々により遺髪塔は守られ、毎年この時期に「義士まつり」が開催されています。この供養祭には兵庫県赤穂市からも関係者が出席し、この縁がきっかけで両市は姉妹都市として交流を結んでいるそうです。

コメント

  1. fuzzy より:

    赤穂浪士の討ち入り事件は、忠臣蔵として私も好きなのです。世に伝わる話がどこまで本当なのか、堀内重勝の残した書に興味をひかれます。
    切腹の仕方の教えを請う奥田孫大夫の話は、非常に面白いですね。

  2. palette より:

    泉岳寺で大石主税の墓をみると、絶対に涙がでてしまう私です。
    伝右衛門老人のはなしも、感動的。昔の人の気概を感じます。

  3. Yubarimelon より:

    fuzzyさん、コメントありがとうございます。
    覚書の義士達の話はみな面白い話ばかりですね。

  4. Yubarimelon より:

    paletteさん、コメントありがとうございます。
    泉岳寺の義士達のお墓に参ると確かに感慨深いものがありましたね。

  5. aya_rui より:

    忠臣蔵と聞くと、真っ先に思ってしまうのが
    近藤さんも憧れた、あのダンダラ羽織な、私ですf(^^;)
    忠義の心も惹かれた所ではあると思いますが、
    「義を貫くという心」には、胸うたれますね。
    それからわざわざのお礼コメントと、
    一覧作成のお知らせ、こちらこそ有難うございました(^ω^)ゞ

  6. Yubarimelon より:

    aya_ruiさん、コメントありがとうございます。
    アーカイブとして記事を全て時代別に整理しました。自分が検索しやすいようにと思ったのですが、過去記事をお読みいただける機会があれば利用してみて下さい。

  7. ノリパ より:

    知らなかったコトですね。九州在住のうちに行ってみないと
    いけないですね。

  8. Yubarimelon より:

    ノリパさん、コメントありがとうございます。
    日輪寺を参拝される機会があれば、ぜひblogに感想を書いて下さい。よろしくお願いします。

  9. Yubarimelon より:

    niceを入れていただいた皆さん、ありがとうございます。

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