近藤長次郎 子孫が長崎に顕彰碑建立を計画

幕末の志士坂本龍馬の片腕といわれた近藤長次郎の顕彰碑を長崎市に建立しようと、長次郎の子孫らが準備中だ。子孫らは「関心がある人は力を貸してほしい」と呼び掛けている。(2010.8.11長崎新聞)

虚名を賤しみ 実田を貴ぶ  浮淫を破り耕戦を督す 賞罰を明らかにして富強を営む 〇術数余り有而 至誠足らず 上杉氏之身を亡ぼす所以なり

坂本龍馬は慶応二年一月十四日(1866.2.28)に切腹した亀山社中の同志上杉宗次郎こと近藤長次郎の死を悼み、自身の手帳にこう書き残した。有能であったがための驕りが自らの死を招くことになったという書込みは、そのまま現在に至る長次郎評となってしまった感がある。だが、言葉とは裏腹に、友の死を深く悲しむ龍馬の心の声が、そこから聞こえてくる。

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慶応元年十一月十日付けで長州の井上聞多が、桂小五郎に宛てた手紙の中で以下のように書いています。「上杉も此度は一方ならず苦慮 (中略)別して苦心仕り候由  尚 同人英国行きの志に御座候処 我藩のために両三月も遅延仕り事故 何卒御疎かは御座ある間敷く候へども 政府よりきつと御礼これあり度く愚考仕り候 金なれば百金なり 二百金ぐらゐは賜はり候ても宜しきか

薩摩の西郷吉之助が下関に来なかった事で、一度は反古になりかけた薩長同盟締結を龍馬と中岡慎太郎の交渉でどうにか長州を宥めることには成功した。しかし、長州側は和解の条件として、薩摩名義での軍艦と洋式銃の購入を提示してきた。龍馬はこれを了承し、長崎の亀山社中に武器購入の斡旋を指示している。

井上の手紙から、長次郎が英国への留学を計画していたのは、伊藤俊輔と共に長崎で二人を迎えた慶応元年七月二十一日まもなくだったのではと想像できます。二人を薩藩家老小松帯刀に紹介し、小松邸に潜伏させていますが、この時に留学経験のある二人から感化され、自身の希望も話したのではないかと思われます。英国商人トーマス・グラバーよりまず最新式洋式小銃四千三百挺の購入が決まり、長次郎は八月十六日に井上、伊藤らとこれを長州へ運びました。この時、藩主毛利敬親公に山口城へ招かれ、直々に謝辞を賜ったということです。饅頭屋から身を起こした彼にしてみれば、その感激はまさに人生絶頂の時であったことでしょう。

翌年正月十四日、長次郎はグラバーの商船に乗込み、密航を試みますが、悪天候のため出航出来ず、社中の同志に見つかってしまいました。この時の渡航費用は蒸気船ユニオン号の購入金のうちの二千両であった、あるいは長州藩藩主毛利公よりの謝礼金であったとも云われています。どちらにしても、恩賞を独り占めし、社中の同志に何も告げず密航しようとしたことは、社規に反するものであったことは云うまでもありません。

龍馬の正妻お龍は明治になって、自分がそばにいたら長次郎を死なせることはなかったという龍馬の談話を残しています。龍馬と長次郎の日本を救うという志のためには、薩摩と長州の同盟は不可欠でした。当時その実現のため、各地を駆け巡っていて社中のことは同志に任せきりだった龍馬の後悔が強く感じられます。

なお、記事中にある長次郎の子孫の方は、京の大和屋弥七の娘お徳との間に生まれた百太郎の孫にあたるそうです。第二次長幕戦争における、長州勝利の影の立役者とも言える近藤長次郎が最も輝いた長崎に、顕彰碑が建立されることは大いに賛成であります。

コメント

  1. まる より:

    直近の龍馬伝でちょうど長次郎さんが切腹されました。
    子孫の方はどんな思いでこの回を見ただろうと思ってました。
    今回の顕彰碑は百太郎の孫に当たる方が計画なさっているのですね~
    なんだか感慨深いです。
    あの時代の日本を救う偉業は、誰が欠けてもなしえませんでしたね。
    龍馬伝でしか幕末を把握してない私ですが、、、
    あの時代に身分差別を受けながら奮起して侍になり、
    時の長州藩主に直々に謝辞をいただくまでになった自分のことを
    驕ってしまうのはホントに無理のないことだと思います。。

  2. Yubarimelon より:

    まるさん、コメントありがとうございます。
    ドラマで赤ちゃんだった百太郎の孫にあたる方が現在もご存命でいらっしゃるとのこと。幕末という時代が私達にとって全く手の届かないほどの過去ではないという気にさせてくれます。

  3. bamboosora より:

    お久しぶりです。
    この時代のお話をきくたびに日本という国の未来のために命を懸けて
    生きた先人に対し、恥ずかしくない生き方をしなきゃいけないなぁ~って思います。

  4. Yubarimelon より:

    bamboosoraさん、コメントありがとうございます。
    今の時代、国の未来のために命を懸けるのも中々難しい時代ですからね。

  5. Yubarimelon より:

    niceを入れていただいた皆さん、ありがとうございました。

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